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運営者ニコリより私はIT企業の人間ではなく、店舗ビジネスを10店舗以上経営してきた側の人間です。だからスクールにもSES企業にも忖度する理由がありません。調べて分かったことを、そのまま書きます。
「SES やめとけ」。エンジニア転職を調べ始めると、必ずこの言葉にぶつかります。検索すると不安になる情報ばかりで、「自分はやめたほうがいいのか、それとも大丈夫なのか」が結局分からない——この記事は、そこに答えを出すために書きました。
結論から言います。「やめとけ」の正体は、あなたの能力の問題ではなく、SESという業界の構造の問題です。構造の問題である以上、「全員やめとけ」でも「全員大丈夫」でもなく、あなたの経験年数と目的によって答えが変わります。
この記事では、やめとけと言われる7つの理由を構造から解きほぐし、それでも未経験の入り口として機能する条件、優良SESの見分け方、そして経験年数別の抜け出し方まで、この1本で判断できるようにまとめました。
- SESが「やめとけ」と言われる7つの理由(すべて構造の話)
- SESと派遣・SIer・自社開発の違い
- それでも未経験の入り口として機能する条件と「2〜3年で出る」現実解
- 優良SESとブラックSESの見分け方
- 経験年数別(未経験/1〜2年/2年以上)の抜け出し方
- 辞めたいのに言い出せないときの実務
そもそもSESとは?派遣・SIer・自社開発との違い
SESは「技術力を提供する」準委任契約
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアの技術力を客先に提供する契約形態です。多くは「準委任契約」という形を取り、成果物の完成ではなく、働いた時間に対して報酬が発生します。エンジニアはSES企業に所属したまま、客先のオフィス(またはリモート環境)に常駐して働きます。
ここで大事なのが「指揮命令権」の所在です。準委任契約では、仕事の指示を出す権利はあくまで所属元のSES企業にあります。客先が直接指示を出すのは本来ルール違反で、これが後述する「偽装請負」の問題につながります。
派遣・SIer・自社開発との違いを表で整理
SESとよく混同される働き方を並べると、違いは次の通りです。
| 働き方 | 働く場所 | 指揮命令権 | 報酬の対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SES(準委任) | 客先常駐が中心 | 所属元のSES企業 | 労働時間 | 未経験でも入りやすいが案件を選びにくい |
| 派遣 | 派遣先 | 派遣先の企業 | 労働時間 | 指示系統が明確。派遣法の保護がある |
| SIer(受託開発) | 自社または客先 | 自社 | 成果物の完成 | 納期責任が重いが上流工程に関われる |
| 自社開発 | 自社 | 自社 | (自社サービスの利益) | 製品に長く関われるが採用ハードルが高い |
つまりSESは「所属はA社、働く場所はB社、指示は本来A社から」という、ねじれた三角形の中で働く仕組みです。やめとけと言われる理由の多くは、このねじれから生まれます。
SESはやめとけと言われる7つの理由
理由1. 多重下請け構造で給料が上がりにくい
IT業界の商流は、発注元→元請け→二次請け→三次請け……と多層になりがちです。SES企業がこの下の階層にいる場合、間に入る会社の数だけマージン(中抜き)が発生します。
たとえば発注元がエンジニア1人に月100万円払っていても、間に2社入ってそれぞれが2〜3割を取れば、あなたの所属会社に届くのは50〜60万円。そこから会社の利益と経費を引いた残りが、あなたの給料の原資です(※数字はあくまで構造を示すための例です)。
あなたの給料が上がらないのは、あなたの評価が低いからではなく、原資が階層構造で削られているから——これが「やめとけ」の最大の理由です。
理由2. 案件ガチャ:常駐先を自分で選べない
SESでは、どの客先に行くかを決めるのは基本的に営業担当です。エンジニア本人の希望が通る会社もありますが、会社の売上都合が優先される構造であることは変わりません。
「Webアプリ開発をやりたくて入ったのに、配属されたのは古いシステムの監視業務だった」というミスマッチは、この構造が生みます。配属が運任せに見えることから「案件ガチャ」と呼ばれています。
対策がないわけではありません。案件が決まる前には多くの場合、客先との顔合わせ(面談)があります。ここで「やりたい工程」を自分の言葉で伝え続ける、営業担当に希望を文書(チャットやメール)で残しておく、といった動きで希望が通る確率は上げられます。黙っている人から順に、都合のいい案件へ流されていくのがこの業界です。
理由3. 下流工程に固定され、スキルが積み上がらない
未経験・経験の浅いエンジニアが最初に入る案件は、テスト、運用・保守、監視、ヘルプデスクといった下流工程が中心です。それ自体は自然なことですが、問題は下流のまま案件を渡り歩き、何年経っても設計や開発に上がれないケースがあること。
案件が変わるたびに現場のルールを覚え直すだけで、履歴書に書ける技術が増えない。気づけば「経験3年なのに語れるスキルがない」という状態になり、転職市場での評価が上がらなくなります。
理由4. 常駐先が変わるたび、人間関係がリセットされる
数ヶ月〜1年程度で常駐先が変わると、そのたびに人間関係をゼロから作り直すことになります。客先の社員と自分の間には「別の会社の人」という見えない線があり、チームにいるのに輪の中にいない感覚を抱えやすい働き方です。
これは慣れや性格でカバーできる人もいますが、じっくり信頼関係を築きたいタイプには継続的なストレスになります。
理由5. 自社に評価者がいない:頑張りが給料に返らない構造
あなたの働きぶりを毎日見ているのは客先の人で、あなたの給料を決めるのは自社の上司です。つまり評価する人が、あなたの仕事を見ていない。この構造では、現場でどれだけ活躍しても、昇給査定に反映されにくくなります。
運営者ニコリより私は10店舗以上を経営して採用・評価する側に立ってきましたが、業界を問わず言えるのは「評価者の目が届かない場所で働く人は、実力より安く据え置かれやすい」ということです。本人の問題ではなく、評価の仕組みの問題。だからSESで働くなら「現場評価を自社にどう伝える仕組みがあるか」を面接で聞くべきです(※IT業界の採用内情ではなく、採用一般の話です)。
理由6. 待機期間と雇用の不安
案件と案件の間に「待機」と呼ばれる空白期間が発生することがあります。優良企業は待機中も給与を全額支給しますが、会社によっては減額や、自宅待機の扱いが曖昧なケースもあります。
面接では「待機期間の給与はどうなりますか」と必ず確認してください。ここで言葉を濁す会社は、その時点で候補から外して構いません。
理由7. 偽装請負・エンジニアと関係ない業務のリスク
前述の通り、準委任契約で客先が直接指揮命令するのは「偽装請負」と呼ばれる違法状態です。また、経歴書を盛って現場に送り込む、エンジニア職のはずがコールセンターや家電量販店の販売員に配属される、といった悪質な事例も報告されています。
求人票に「IT関連業務」「幅広い業務」など職種をぼかした表現が多い会社は要注意です。何のエンジニアとして、どんな案件に入るのかを具体的に答えられない会社は避けてください。
それでもSESにはメリットがある:未経験の入り口としての現実解
未経験の入り口としては、今も機能している
ここまで構造の問題を並べましたが、公平に言うと、実務未経験者がIT業界に入る入り口として、SESは今も最も門戸が広いです。自社開発企業は即戦力を求めるため未経験採用が少なく、SIerも新卒中心。「未経験可」の求人が多いのはSESです。
研修制度のある会社なら、給料をもらいながらITの基礎と現場経験を積めます。これは独学やスクールだけでは得られない価値です。
残業が少なめで、複数の現場を見られる
準委任契約は働いた時間で精算されるため、客先はむやみに残業させると割高になります。結果として、SESは受託開発より残業が少なめになりやすい構造です。また、常駐先が変わることは「人間関係リセット」の裏返しで、複数の会社の開発現場・文化を内側から見られるという利点でもあります。
「2〜3年で出る前提」で入るのが現実解
つまりSESは、長く居る場所ではなく、通過する場所と考えるのが現実的です。
未経験からITに入るなら「SESで2〜3年、開発工程の実務経験を積んで転職する」と最初から出口を決めて入る。この前提なら、SESのデメリットの多くは「期間限定のコスト」に変わります。逆に、出口を決めずに流されると、理由1〜5の構造に長期間さらされることになります。
AI時代にSESはどうなるか
テスト・運用保守は、生成AIに置き換えられていく側
当ブログはAI活用を専門にしていますが、その視点から見ると、SESの主戦場である下流工程は生成AIの影響を最も受けやすい領域です。テストコードの自動生成、ログ監視の自動化、定型的な保守作業の効率化は、すでに現場で始まっています。
「人月で人を売る」ビジネスは、作業が自動化されるほど必要な人数が減ります。単純作業だけを何年も続けることのリスクは、これまでより大きくなっていると考えるべきです。
生き残るのは「上流に行く人」と「AIを使いこなす人」
一方で、要件を整理して設計に落とす上流工程や、AIツールを使って生産性を上げられるエンジニアの価値はむしろ上がります。SESにいる間も、ChatGPTやClaudeなどのAIツールを業務と学習に取り入れておくことが、数年後の市場価値を分けます。これは未経験者が先輩エンジニアと差を詰められる、数少ない逆転ポイントでもあります。
具体的には、テスト案件ならテスト観点の洗い出しやテストコードの下書きをAIに任せて工数を削る、保守案件ならエラーログの一次調査をAIに読ませる、といった小さな活用から始められます。「AIで◯◯を効率化した」という一行は、そのまま職務経歴書に書ける実績になります。
SESが向いている人・向いていない人と、辞めどきの判断基準
SESが向いている人
- 実務未経験で、まずIT業界に入ること自体が目的の人
- 環境の変化に抵抗がなく、いろいろな現場を見てみたい人
- 残業を抑えて、業務外の学習時間を確保したい人
- 2〜3年後の転職までを計画に入れて動ける人
SESが向いていない人
- ひとつのプロダクトに腰を据えて関わりたい人
- 人間関係をじっくり築きたい人
- すでに実務経験があり、年収を上げたい人(SESに留まる理由がほぼありません)
- 働く場所や案件を自分で選びたい人
いま辞めるべきかの判断チェックリスト
現役SESエンジニアで迷っている人は、次の項目を数えてみてください。
- 直近1年、履歴書に書ける新しいスキル・工程が増えていない
- テスト・監視・保守だけの案件が2件以上続いている
- 昇給が年数千円レベル、または昇給の基準が不明
- 待機期間の給与が全額出ない、または規定が曖昧
- 自社の上司と月1回も話していない
- 客先から直接、業務命令や残業指示を受けている
3つ以上当てはまるなら、あなたの努力で解決できる問題ではなく、構造の問題です。転職活動を始める合図と考えてください。当てはまりが2つ以下で、開発工程に関われているなら、いまの現場で経験を積む価値はまだあります。
待機期間になったら:不安な空白を仕込みの期間に変える
もし今まさに待機中なら、それを「会社に飼い殺される時間」にするか「次の一手の仕込み期間」にするかで、その後が大きく変わります。具体的にやることは3つです。
- 資格・学習に充てる:基本情報技術者やクラウド系の入門資格は、下流経験しかない経歴の補強材になります。会社の資格支援制度が使えるならこの期間に使い倒す
- ポートフォリオを作る:まとまった時間が取れる待機中は、実は制作物を作る最大のチャンスです
- 職務経歴書を更新する:記憶が新しいうちに直近案件の業務内容・規模・使用技術を書き出しておく。転職するかどうかを決める前にやっておいて損がありません
待機が1ヶ月を超えて続く、または待機を理由に給与を減らされ始めたら、それは会社の営業力か経営体力の問題です。仕込みを転職活動に切り替えるタイミングと考えてください。
優良SESとブラックSESの見分け方
優良SESを見分けるチェックポイント
SESという業態自体が悪なのではなく、会社ごとの差が極端に大きいのが実態です。面接・企業研究では次を確認してください。
- 還元率や単価を開示しているか:給与の決まり方をオープンにしている会社は搾取構造になりにくい
- 案件選択制があるか:エンジニアが案件を選べる・断れる制度の有無
- 商流が浅いか:元請け・二次請け案件が中心か(面接で「商流はどのあたりが多いですか」と聞いてよい)
- 待機中の給与が全額支給か
- 帰社日や自社イベントの頻度:自社とのつながりを保つ仕組みがあるか
- 研修・資格支援が具体的か:「充実の研修」ではなく期間とカリキュラムを答えられるか
- 評価制度に現場評価を反映する仕組みがあるか
- 離職率や平均勤続年数を答えられるか
絶対に避けたいブラックSESの特徴
次のような会社は、どれか1つでも該当したら避けることをおすすめします。
- 経歴書の「盛り」を指示してくる(経歴詐称に加担させられる)
- 職種が「IT関連」「幅広い業務」などと曖昧で、配属先を明言しない
- 待機中は給与が出ない・大幅減額と言われる
- 面接がやたら簡単で、その日のうちに内定が出る(人を選んでいない)
- 求人票の給与レンジが極端に広い(例:月給18万〜80万円)
SESから抜け出す道:経験年数別の戦略
転職先の選択肢を比較する
SESからの主な行き先は4つです。それぞれ難易度と得られるものが違います。
| 転職先 | 難易度 | 年収の伸び | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 自社開発 | 高い | 大きい | 開発経験があり、プロダクトに深く関わりたい人 |
| SIer(元請け) | 中 | 中〜大 | 上流工程・マネジメントに進みたい人 |
| 社内SE | 中〜高 | 中 | 腰を据えて1社のITを支えたい人 |
| フリーランス | 実務3年〜が目安 | 大きいが不安定 | スキルに自信があり、営業も自分でできる人 |
※難易度・年収は一般的な傾向です。個人のスキルと市場状況で変わります。
未経験・入社前の人:入り方から設計する
まだIT業界に入っていない人は、「SESに入るかどうか」より「どういう順番でキャリアを作るか」を先に設計するほうが重要です。SESはその設計図の中の「最初の2〜3年」に置く選択肢のひとつにすぎません。
何から始めて、どの職種を狙い、スクールを使うべきかどうかまで含めた全体の道筋は、未経験からIT転職ロードマップ|何から始めるか順番で全解説にまとめています。SESを検討中の人は、先にこちらで全体像をつかんでください。
経験1〜2年の人:あと1年で「持ち帰れる武器」を作る
実務1〜2年での転職は不可能ではありませんが、市場では「もう少し経験が欲しい」と見られがちな時期です。焦って辞めるより、いまの環境で「次の面接で語れる武器」を意図的に作るほうが結果的に早道です。
- テスト案件でも、テスト自動化ツールやスクリプト化に手を出して「改善した経験」に変える
- 営業担当に「開発工程の案件に移りたい」と明確に伝え続ける(言わないと動きません)
- 業務外でポートフォリオを1つ作る(AIツールを使えば開発スピードは大きく上がります)
1年後に「下流を効率化した経験+開発の実績」を持って転職市場に出れば、評価は大きく変わります。
経験2年以上の人:エージェント経由で年収を取り返す
実務経験が2年を超えているなら、SESに留まる経済的な理由はほぼありません。多重下請けで削られていた分を、転職で取り返せる時期に入っています。年収が上がらない構造的な理由と対処は、ITエンジニアなのに年収が上がらない理由と対処法で詳しく解説しています。
経験者の転職で個人的におすすめしたいのは、IT専門の転職エージェントを使うことです。SES出身者がつまずきやすい「経験の言語化」(案件を渡り歩いた経歴を、一貫したスキルの物語に組み直す作業)を、専門エージェントは面談と書類添削で手伝ってくれます。
たとえばTechGo(テックゴー)は、実務経験のあるITエンジニア専門の転職エージェントで、模擬面接の回数に制限がなく、公式サイトでは転職時の年収アップ額が平均138万円と公表されています(※数字は公式サイト公表値です)。
TechGoは実務経験2年以上のエンジニアが対象の目安です。未経験の方や学生の方は対象外なので、上の「未経験・入社前の人」の項からロードマップ記事に進んでください。
自社開発に行きたい人:特化型エージェントで「本当の自社開発」を見極める
SESからの転職先として一番人気なのが自社開発です。ただし注意点があり、「自社開発」を名乗る企業の中には、実態は受託やSESが売上の中心という会社も混ざっています。求人票だけでは見分けにくいため、企業の内情を知っているエージェント経由で確認するのが確実です。
TechClipsエージェントはITエンジニア専門で、自社開発・高年収帯の求人に特化しています。申し込み後の面談で「自社プロダクトの開発比率」まで踏み込んで聞けるのが、独力の応募との差です。
30代・下流工程の経験が中心の人:「職種ずらし」で勝負する
「30代でテスト・運用保守の経験しかない。もう遅いのでは」という不安をよく見かけますが、遅くはありません。ただし20代と同じ戦い方(開発職への正面突破)ではなく、これまでの経験が武器に変わる職種へ「ずらす」のが定石です。
- テスト経験が長い人 → QAエンジニア・テスト自動化エンジニアへ。テスト設計の知見はそのまま専門性になります
- 運用・保守が長い人 → 社内SE・インフラ運用設計へ。「システムを安定して回してきた経験」は事業会社が求めるものです
- 現場調整が得意な人 → PMO・ITサポートのリーダー職へ。複数現場を渡り歩いた経験が調整力の証明になります
正面から「開発未経験の30代」として戦うと厳しい市場でも、ずらした先では「その工程を10年近く見てきた人」として評価されます。どの方向にずらせるかは経歴によるので、ここもエージェントとの面談で客観的な意見をもらうのが近道です。
転職準備の手順5ステップ
どの経験年数でも、転職活動の型は同じです。
- スキルの棚卸し:関わった案件・工程・使用技術・規模を全部書き出す(AIに経歴を渡して整理させると速い)
- 経験の言語化:「何をしたか」を「何を改善したか」に書き換える(テスト実行→テスト工数を自動化で削減、など)
- 行き先の決定:上の比較表から、自社開発・SIer・社内SE・フリーランスのどれを狙うか決める
- エージェント面談:書類添削と非公開求人の紹介を受ける(無料。合わなければ断って構いません)
- 在職のまま応募:辞めてから探すのはNG。収入が途切れると判断が焦ります
辞めたいのに言い出せないときの実務
退職の切り出し方と引き止めへの対処
SESで退職を切り出すと、「案件の途中で抜けるのか」「客先に迷惑がかかる」という引き止めに遭いがちです。しかし法律上、期間の定めのない雇用契約は2週間前の申し出で退職できます。案件の契約は会社と客先の問題であり、あなた個人が背負う義務ではありません。
切り出すときは「相談」ではなく「報告」の形にするのがコツです。「辞めようか迷っていて…」と相談すると引き止めの余地を与えます。「◯月末で退職します。理由は◯◯です」と決定事項として伝えてください。
どうしても言えないなら、退職代行という手段もある
常駐先と自社の板挟みで、どうしても言い出せない人もいます。心身が削られてからでは転職活動もできません。最終手段として退職代行サービスという選択肢もあります。費用相場や申し込みから退職までの具体的な流れは、退職代行の流れを全解説|申し込みから退職までと、使う前に知るべきリスクにまとめています。
「SESはやめとけ」に関するよくある質問
新卒でSESに入るのはやめたほうがいいですか?
新卒カードはSIerや自社開発にも通用する貴重な切符なので、まずはそちらを優先して応募すべきです。ただし全滅した場合、研修制度の整った優良SESで実務経験を積み、第二新卒枠で転職し直す道は現実的です。その場合も「2〜3年で出る」前提を忘れないでください。
SESは何年で辞めるのがいいですか?
目安は実務2〜3年です。2年未満だと「経験が浅い」と見られやすく、逆に下流工程のまま5年を超えると経験年数とスキルの釣り合いを疑われ始めます。開発工程に関われているかどうかで、前後1年は調整してください。
SESからの転職は難しいって本当ですか?
「SES出身だから」不利になるわけではありません。不利になるのは「案件を渡り歩いてスキルが分散している」場合です。逆に言えば、経歴を一貫した物語に組み直し、改善経験を語れれば十分戦えます。この言語化はエージェントの面談で手伝ってもらうのが早いです。
SESと派遣はどちらがいいですか?
働き方は似ていますが、契約が違います。派遣は派遣先に指揮命令権があり指示系統が明確で、派遣法の保護(マージン率の公開義務など)があります。SESは正社員雇用で賞与や研修がある会社も多い一方、会社間格差が極端です。「どちらの業態か」より「どの会社か」で選んでください。
大手のSES企業なら安心ですか?
「大手だから安心」とは言い切れません。大手は案件数が多く商流が浅い傾向があり、教育制度も整いやすい一方、社員数が多いぶん一人ひとりの配属希望は通りにくくなりがちです。逆に中小でも、還元率を開示し案件選択制を敷く優良企業はあります。会社の規模ではなく、この記事のチェックポイント(還元率・案件選択・待機給与・商流)で個別に判断してください。
SESと自社開発、結局どちらがいいですか?
実務経験ゼロなら、入り口はSESのほうが現実的です(自社開発の未経験採用は狭き門です)。実務経験が2年以上あるなら、収入・スキル・働きやすさの面で自社開発やSIerへの転職を検討する価値が十分あります。
まとめ:「やめとけ」は構造の話。あなたの戦略で答えは変わる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「SESやめとけ」の正体は、多重下請け・案件ガチャ・評価不在という業界構造の問題
- ただし未経験の入り口としては今も最も門戸が広く、「2〜3年で出る前提」なら現実解になる
- AI時代、下流工程だけを続けるリスクは拡大中。AIを使いこなす側に回る
- 会社間格差が極端なので、還元率・案件選択制・待機給与・商流の4点は必ず確認する
- チェックリストに3つ以上当てはまったら、努力ではなく転職で解決する段階
- 経験2年以上なら、専門エージェントを使って削られてきた年収を取り返す
SESは「入ってはいけない場所」ではなく、「出口を決めずに居続けてはいけない場所」です。あなたの経験年数に合わせて、今日から次の一手を打っていきましょう。
運営者ニコリより採用する側として最後にひとつ。面接で「商流」「還元率」「待機給与」を聞くことをためらう人が多いですが、まともな会社ほど、条件を確認する応募者を「仕事を任せられそうだ」と評価します。聞いて嫌がられたら、それ自体が答えです。


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